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延喜鈔本玉篇 背書皇大神宮禰宜譜圖帳・皇大神宮禰宜補任次第 (架蔵)

本書 (本文) はコロタイプ複製
所蔵者大居 司
冊数1巻 (本文) + 1冊 (解説)
出版年月 (印刷)昭和10年12月15日 (1935-12-15)
出版年月 (発行)昭和10年12月25日 (1935-12-25)
画像枚数 (解説)20
画像撮影大居 司
撮影日2020-06-07

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版本に関する情報

本文は便利堂によるコロタイプ印刷。昭和10年刊行。1巻。函内に、解説を収めた和装本 1冊 (89x140mm) を収めており、2020年9月時点ではこちらのみを公開。

本文である巻物部分については 2020年6月にスキャンを完了しているが、デジタル合成等を行った後の状態のみ公開予定である。

解説 PDF に関する特記事項

テキスト付与済みのタグ付き PDF。これについては、ABBYY FineReader PDF 15 により OCR 後、校正を実施したものを使用している。

著作権に関する推定

本文部分については延喜四年正月十五日 (ユリウス暦: 904年2月2日) 付の玉篇および延慶二年 (1309) 以前と推定される紙背の複製であり、それぞれ単独での著作権を有さない。解説部分については 1935 年刊行、団体名義 (神宮司廳) の書籍であり、日本においては 1965 年末、中国等においては 1985 年末、EU 各国等においては 2005 年末に著作権保護期間を満了したと推定。アメリカにおいては、おそらく 1963 年末に著作権保護期間を満了したと思われる。

この推定に用いた本文 (巻物) 巻末の奥付も参照されたい。

解説

延喜鈔本玉篇 背書皇大神宮禰宜譜圖帳・皇大神宮禰宜補任次第は、三重県、神宮 (伊勢神宮) に属する文庫である神宮文庫所蔵の国宝である。もと延喜四年正月十五日 (ユリウス暦: 904年2月2日) 付の年記があり、典薬頭のために作られた写本の玉篇巻22 であったが、その背面に神宮内宮の神官 (禰宜) の系譜を記した二資料、皇大神宮禰宜譜圖帳と皇大神宮禰宜補任次第が書写されている。

特に玉篇についていえば、いわゆる原本玉篇の中で一巻の首尾が完全な形で残るものとしては巻27 (高山寺+石山寺 所蔵) を除いて唯一の貴重なものであり、特にこの巻22は巻27のように前後に切断されてすらいない。その貴重さから「玉篇巻第廿ニ」として国宝に指定されているが、実のところ紙背の二資料も神道研究のための一級史料といえる (ただ詳しくないため解説は省略)。

架蔵の本は昭和10年 (1935) にこれらを両面にコロタイプ複製したものである。東方文化学院も前年に同書をコロタイプ影印しているが、印刷者が同じ (便利堂である) ため、同じ写真を元にした実質の再販である可能性も否定できない。両者はどちらを表にするかが大きく異なり、東方文化学院による東方文化叢書本の原本玉篇ではその重要性から玉篇を表とする一方、この神宮司庁刊本は複製当時の装丁を尊重し、皇大神宮禰宜譜圖帳・皇大神宮禰宜補任次第を表としている (装丁の面では原本に軸は付けられていない一方で複製本には軸がつくなど、幾つかの差異はある)。

原本玉篇の主要な (大部分を残す) 写本としては最も遅くに発見されたものであり、黎庶昌は知恩院の方丈であった徹定 (鵜飼徹定) を介して本書の模本を得、古逸叢書の原本玉篇のうち続編部分に編入した。ただしこの模本は、古逸叢書での顕著な差異を考えると原本を直接模写したとは考えられない点があり、既に作成されていた模本をさらに模写したものが徹定を介して黎庶昌に渡ったと考えた方が良いだろう (不明な部分の多さから、実際の模写者については解説において意図的に曖昧にしていることに注意されたい)。

更新履歴

2020-11-15
東方文化叢書の巻22の奥付を元にして解説内容を大幅に修正。