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筆順指導の手びき (架蔵)

筆順指導の手びき 書影
タイトル筆順指導の手びき
著者・編者文部省
出版年月昭和34年4月1日 (1959-04-01)
出版事項15版 (初版: 昭和33年[1958] 3月31日)
冊数1
画像枚数120
画像撮影大居 司
撮影日2019-04-10

注意事項

これらのファイルの想定される目的は漢字政策関連資料としての利用であり、当時のまま提供されています。そのため、PDF 版で若干読みやすさを増すためのわずかな塗りつぶしを行っていることを除き、一切の編集を加えていません。また常用漢字以降の変化には一切対応していません。

本書自体が筆順の根拠となっている一部既存テストのために用いる場合を除き、一般的な筆写における筆順を本書のものに統一する義務はなく、そのために用いることは推奨しません。

ダウンロード (2019-04-29 更新)

2019-04-29: スキャンの自動切り取りに用いているプログラムの座標系バグを修正、(600dpi の元データから 300dpi に変換する) ダウンサンプリング法を Lanczos から平均画素法に変更し、JPEG エンコード時のブロックノイズを低減しました。PDF 版に変更はありません。

2019-04-23: カラー版の色空間がスキャナの色空間になっていたものを、sRGB に補正しました。これと同時に、PDF 版にもメタデータの補正を若干加えています (内容の変更はありません)。

版本に関する情報

博文堂株式会社より出版。昭和33年 [1958] 3月31日初版、本書は昭和34年 [1959] 4月1日付の15版である。A5 判。

著作権に関する推定

日本の行政機関である文部省が作成した資料ではあるが、日本の法律において、権利の目的とならない著作物には該当しない。しかし 1958年初版の書籍であり、2008年、もしくは2009年の年末をもって著作権保護期間を満了したと推定。上野芳太郎による序文があるが、これは文部省のための職務創作であると推測する (全体として、奥付の“著作権所有”表記に従う)。

解説

小学校教員のための指導書。安価な実用書であるためか (実用書であるため放出されにくく、安価であるため古書店などに出回りにくい) 入手には予想以上に困難が生じた資料である。

本書の筆順は、小学生に漢字の書き取りを教える上で混乱が生じにくいようにいくらかの統一が図られており、本書内においても指導者に対しては特に複数の書き方が存在しうるものがあることを明確に示している。ただこの部分は当稿筆者の主観ではあるが、原則8“横画と左払い”のような若干混乱を来たすものも残存するようである。

本書は漢字教育の便宜のために指導する筆順をできるだけ統一することを目的に作成されているが、特に“本書のねらい”を読む限りでは筆順の正誤を厳密に規定する目的で編纂されたものであるとは考えられない (一部を引用: 『ここに取りあげなかった筆順についても,これを誤りとするものでもなく,また否定しようとするものでもない。』)。しかしその目的を離れ、日本において「正誤を判断する」ための筆順の基準として用いられるようになった。例えば2019年初頭時点での日本漢字能力検定 (漢検) の5〜10級においては筆順が主な出題内容に入っており、その筆順の大枠は本書をもとに定められている (具体的な筆順は日本漢字能力検定協会が定め、『漢検要覧 2~10級対応』に収録されている)。

このような、「結果としての」重要性があるため政策関連資料として公開されるのが妥当だと考えていたが、(著作権が切れているにもかかわらず) デジタル資料として公開されているものを発見できていなかったため、ブックスキャナを用いて高解像度のデジタル化を行った (公開後に大阪大学文学研究科の岡島昭浩先生より、氏が本書の28版をはてなグループにて公開されていたことを教えて頂いた)。

なお現行の義務教育諸学校教科用図書検定基準 (小学校用のものを含む教科書検定基準) によれば、筆順は本書によるものではなく『原則として一般に通用している常識的なもの』によるものとしている。しかし、本書のものに従わない筆順を教えるものはほぼなく、本来指導の参考用でありながら、今なお本書の影響は大きいものである。

特筆すべき使用例

2020
Twitter まとめ: 漢字の筆順と文部省 (私のツイートだけではなく、それを利用した例あり)
2020-11-23
TBS 系全国ネット『グッとラック!』 (2020年11月23日放送) のコーナー「一日一問!グッと身につく教養クイズ」に架蔵本の画像提供 (ほぼマスターを提供したが、先方の都合か表紙以外は Web 公開版の白黒画像を使用)